
メルヴィル・D・ポーストの Uncle Abner, Master of Mysteries(1918年)読了(邦題『アンクル・アブナーの叡知』)。
舞台は19世紀初めのアメリカ、ヴァージニア州。まだまだ荒っぽいことが色濃く残る開拓時代。そこで起こる身近な事件を、自らも牧場主であるアブナー伯父さんが鮮やかに解決する。
伯父さんというのは、語り手がその甥っ子のマーティン(10歳)だからなのだが、全18の短編はいずれも独特の情景描写と、聖書を愛読するアブナー伯父さんの正義感溢れる語り口が印象的。もちろんトリックや謎解きも読み応え十分で、最初から最後まで唸りっぱなし。
特にラストの「ナボテの葡萄園」は噂に違わぬ名品で、読み終えると高揚感とともに「ああ、ついに読み終わってしまった」と溜息が出る。素晴らしい完成度。
Melville Davisson Post,
MURDER MYSTERY COLLECTION
(Kindle)