
この日曜日。
買い物に出たところ、あまりにも見事な空の青と雲の白。
見上げることしばし。

夕方。
たまたま家の外に出ると、玄関先でアブラゼミがひっくり返っています。
セミ、特にこのひっくり返った状態のセミは、我が家の娘の大の苦手。このままだと、ドアを開けて家を出た娘が見つけて気絶すること間違いなし。
手で軽くつまんでみると、少し弱ってはいますが、まだ元気は残っています。ただ、空に放り投げても自分で飛んで行くほどの元気はなさそうです。
残念ながらうちの周りにはセミが好んで集まる木がありません。そこで、セミをちょっと服にとまらせて、お誂え向きの木があるところまで歩いて連れて行くことにしました。
セミは、ポロシャツにとまらせた時に少し鳴きました。上へ上へと登ってくる元気もあるようです。

歩いているうちに気付くと襟のところまで来たりして、何度かまた裾の方に移動させながら、セミの鳴き声がする木を探します。
この辺りは昔(今も)武蔵野と呼ばれただけのこともあって雑木林が多いのですが、セミがじゃんじゃん鳴いている木は大抵が立派な屋敷林の高い木立。さすがに「セミをとまらせて下さい」と人様のお家に入り込むのは気が引けるので、もう少し他の木を探して歩きます。
子供の頃、今にして思えば随分と悪ガキだったと反省しますが、経験上、セミがよくとまる木、つまりセミがよく捕れる木は、しっかりと頭に入っています。特にクマゼミとアブラゼミは(私の生まれ育った田舎では)居る木が明確に分かれていました。
ただ子供心に覚えていたのはそれが「どこの、あの木」ということで、それが何と言う名前の木かはあまり意識していませんでした。それでも、木の表面がでこぼこでいかにも美味しい樹液が出そうなサクラ(ソメイヨシノ)やセンダンの木にアブラゼミやクマゼミが鈴なりにとまっていたのは、今でもよく覚えています。
そんなことを思いながら歩いていると、ちょうど桜の木がいっぱいの公園に来ました。案の定、頭の上からは残り少ない夏を謳歌するかのようなセミの大合唱。
それまで頑張って私のポロシャツにしがみついてきたアブラゼミ君をそっとつまむと、仲間がたくさん居るその木の幹にとまらせました。

ここまでよく頑張ったね。精いっぱい楽しんでね。
そんなことを言いながら、その公園を後にしました。
暦の上ではもう秋。
これからは、日々少なくなっていくセミの鳴き声を聴きながら、夏が終わりに近づくことを感じるのでしょう。
気付くとセミの鳴き声は聴こえなくなり、そうなると、やがて秋ですね。